ハンターハンターという作品は作者の冨樫義博先生が様々な映画や漫画や実在の人物などの現実世界から元ネタやモデルとなる設定を作品内に取り入れてきています。
ここでは逆に同じ週刊ジャンプの人気作品だったBLEACH(ブリーチ)がハンターハンターを元ネタにしてそうな設定をまとめてみたいと思います。
ちなみに冨樫義博先生は先輩といえる鳥山明さんのネタはもろにパクってます。
特にゴンのジャジャン拳はドラゴンボールの悟空のじゃん拳が元ネタになっています。DB30周年の時にあったコメントで久しぶりにドラゴンボールを読んだらじゃん拳が出てきて冷や汗を書いたとの事です。
いろいろな設定を作るときにモデルとなる元ネタはたくさんあるのでしょうが、冷や汗が出たってことは故意にパクった記憶が残っていたのかなと思います。汗。
そしてここではBLEACH(ブリーチ)の作者の久保帯人さんがハンターハンターの設定を元ネタにしていると思われる部分をまとめたいと思います。
久保帯人さんは冨樫義博先生をリスペクトしている(尊敬している)印象を受けるんですよね。
冨樫義博先生がドラゴンボールの鳥山明さんやBASTARD!!の萩原一至さんなどのいろいろな漫画家の先生の影響を受けたり、スタジオジブリの宮崎駿監督をリスペクト(尊敬)しているように、今度は逆の立場になって久保帯人さんに対して大きく影響を与えた部分があるのだと思います。
原点は幽遊白書
最初にこの記事を書こうとしたとき、ブリーチが元ネタにしているであろうネタのメインにもってくるべき作品がハンターハンターでなく、幽遊白書だったと気づいて記事の構成をどうしようかと焦りました。汗。
BLEACH(ブリーチ)の作者である久保帯人さんが参考とする元ネタにしたのは冨樫義博先生が大ヒットさせた幽遊白書から影響を受けていたんですね。
幽遊白書は主人公が霊界探偵という設定で、BLEACH(ブリーチ)の世界観は尸魂界(ソウル・ソサエティ)という死後の世界にいる死神が活躍する作品でした。
そして幽遊白書とBLEACH(ブリーチ)で大きく設定やストーリーが被る部分があったのです。
仙水編と死神代行消失篇
幽遊白書を読んだ事のある人がBLEACH(ブリーチ)の死神代行消失篇を読めば何らかの違和感(見たり聞いたことのある話の気がする)みたいなものを覚えるか、あっこれは幽遊白書の魔界の扉編(仙水編)が元ネタになっているなと気づくはずです。
仙水編と死神代行消失篇はキャラの設定や全体的なストーリーが非常に似ていて、明白に元ネタのモデルになっているのですが、このあたりは久保帯人さんのコメントが出てたのかは私はちょっと調べ切れていません。
ネタの打ち合わせ的な事をするジャンプの担当編集者が一緒だったとかはないんですかね?
ストーリー
仙水編と死神代行消失篇では敵キャラの生い立ちなところから非常に似ていて、ストーリーもかなり被っています。
魔界の扉編(仙水編)
元霊界探偵の仙水が魔界と人間界を繋ぐ扉を開けようとして、その影響で能力者が誕生する事になります。
主人公の霊界探偵である浦飯幽助達が、元霊界探偵の仙水忍率いる能力者達と戦うといったストーリーです。
死神代行消失篇
死神の力を失った主人公であり死神代行の黒崎一護が、元死神代行の銀城空吾が率いる完現術者(フルブリンガー)という能力者達と戦うというストーリーです。
ストーリーは一応まとまってはいるのですが、幽遊白書の元ネタありきなところがあって、全く一緒にするわけにもいかなかったのだろうと思うのですが、独自設定も入り込んでいて、最終的にはかなり消化不良な部分を残して結末を迎えています。
BLEACH(ブリーチ)では銀城空吾がなぜ尸魂界(ソウル・ソサエティ)を恨んでいたのかなどが明確になりませんでした。
キャラの設定
元ネタが幽遊白書なので、キャラの設定もBLEACH(ブリーチ)と似ている所があります。
明確に設定が被っている代表的なキャラをピックアップしました。
- 仙水忍⇔銀城空吾
- 樹⇔月島秀九郎
- 天沼月人⇔雪緒
仙水忍と銀城空吾
元霊界探偵と元死神代行という設定だけでなく、2人ともオールバックの髪型というのも共通しています。見た目の雰囲気は全く違うのですが、設定が似ているとつい銀城空吾に仙水忍を思い浮かべてしまうのです。
樹と月島秀九郎
樹(いつき)と月島秀九郎(つきしましゅうくろう)は共に仙水忍と銀城空吾に助けられたという共通設定があって、2人とも恩人を慕っています。
見た目は全く違いますが、立ち居地的な部分や性格的な部分で月島秀九郎は樹を連想させます。
天沼月人と雪緒
天沼月人(あまぬまつきひと)と雪緒(ゆきお)・ハンス・フォラルルベルナは共にゲーム機を使った能力を持っています。
両親とのコミュニケーションがうまく取れなかったトラウマも共通しています。
仙水忍のインパクト
幽遊白書の仙水忍は強烈なインパクトを持っていて、心の闇の深さから引き付けられた人も多かったのかもしれません。
BLEACH(ブリーチ)の作者である久保帯人さんもその1人だったのでしょう。
そして何の因果かはわかりませんが、冨樫義博先生と年齢が同じであり、号泣議員として有名な野々村竜太郎も仙水忍に影響を受けたとブログのプロフィールに掲載しているのを過去に見かけました。
ちなみに野々村竜太郎は装甲騎兵ボトムズというアニメのキリコ・キュービィーにも影響を受けたみたいです。
今はアメーバグログのプロフィールからこの記載は消えていますが、私は記憶に残っていたので記録として残しておきます。
ハンターハンターとBLEACH
ではBLEACH(ブリーチ)がハンターハンターを元ネタにしていたり、影響を受けていると思われる部分をまとめてみたいと思います。
主人公と仲良しの動物キャラ
ハンターハンターでは主人公のゴンと仲良しになったコンというキツネグマがいました。
BLEACH(ブリーチ)では同じコンという名前でライオンのぬいぐるみに改造魂魄(かいぞうこんぱく)の魂が宿っている設定です。
実際は魂魄の「こん」からコンと一護に名付けられています。「かい」も候補に挙がっていました。
ジブリ映画の風の谷のナウシカで登場したキツネリスのテトが、キツネグマのコンになって、ぬいぐるみのコンになるという目に見えない流れが面白いです。
久保帯人さんがスタジオジブリや宮崎駿監督をどう思っているのかは少し気になりますね。
自分が元ネタのモデルにした設定が冨樫義博先生が宮崎駿監督を元ネタにしていたのは気付いていたのかって所です。
冨樫義博先生はスタジオジブリの信念みたいなものを継承したと私は考察していますが、偶然にも久保帯人さんまでその流れは繫がっていて、それを自覚しているのか無自覚なのかというのも想像すると面白いですね。
キルアとルキア
ハンターハンターで準主人公のキルアと準ヒロイン的な立場のルキアは名前がアナグラム的に命名されたのではないのかなと考察できます。
想像豊かに仮説を立てるといろいろな事が繫がります。
ハンターハンターは女の子を家に帰してあげたり、母親の元に返してあげたり、囚われた女の子を助け出すという設定がたくさんあります。
BLEACH(ブリーチ)のルキアも囚われていた女の子でした。
BLEACHのコミック19巻「164.That Who Change the World」でヒロインの井上織姫の「朽木さんは黒崎くんの世界を変えた人だから」というセリフがあります。
朽木さんとは朽木ルキアなわけで、深読みすると作者の久保帯人さんの世界を変えたのはハンターハンターのキルアだったという想いを井上織姫のセリフを通して語ったという解釈も可能なわけです。
これはあくまで私の深読みした考察になります。
ただ号泣議員の野々村竜太郎も幽遊白書の仙水忍に影響を受けたみたいなので、考察としてはありえる解釈の1つかなと思うわけです。
そして人には意識とは別の無意識、そしてさらに普遍的無意識の領域があるので、本人は意識していないところで何かが繫がっている可能性もあるわけです。
阿散井恋次と黒崎一護が絶対に助けると誓った朽木ルキアに対する想いは深いと思います。
「---ただ俺の---・・・魂にだ!!!!」
ビスケとコンの巨大化
ハンターハンターに出てくるビスケは冨樫義博先生の嫁の直子姫(旧姓:武内直子)の作品、セーラームーンの月野うさぎが影響している少女姿のキャラですが、実年齢は57歳という年配のおばさんキャラです。
ビスケの本当の姿はゴリマッチョな巨体をもつ女性ハンターです。
ビスケは猫をかぶったぶりっ子キャラで実際は嘘つきなわけですが、実は見た目的というか身体的にも本当の身体はすごかったという驚かして笑わせるネタになっています。
HUNTER×HUNTERのコミック18巻「No.177 三つ巴の攻防⑧」にてボマーのバラを倒す際に正体を見せました。
その後HUNTER×HUNTERのコミック20巻「No.210 弱点③」にてキルアの修行時にも正体を見せています。
一方でBLEACHのコミック58巻「516.THE SQUAD ZERO」ではかわいいライオンのぬいぐるみのコンがいきなりゴリマッチョのキャラに変貌しています。
このあたりはビスケのゴリマッチョになったネタが参考にされてそうに思えるわけです。
かなり昔の話になりますが、私はBLEACH(ブリーチ)でこのネタを見た瞬間に、ビスケのネタからひっぱってきたなと連想しました。
対比描写
ハンターハンターといえば対比描写が有名でコムギとメルエムの対比描写はピエタが題材にされて印象に残る描画がされています。
他にもゴンとメルエムの対比描写やクラピカとクロロの対比描写などが有名です。
いろいろな漫画を読んでいると対比描写は他の漫画の作品でもあちこちで使われています。
そんな中でBLEACH(ブリーチ)で私が好きな対比描写をご紹介したいと思います。
BLEACHのコミック60巻「531.Everything But the Rain Op.4」と「531.Everything But the Rain Op.4」で主人公の黒崎一護の母と父のセリフが対比描写に使われています。
描写は一心と真咲の顔の向きが違うだけなので、セリフの対比がメインです。
黒崎真咲「仕来りに従って今日できることをやらないで、誰かを見殺しにしたあたしを明日の私は許せないと思うから。」
黒崎一心「未練に足を引っ張られて恩人を見殺しにした俺を明日の俺は笑うだろうぜ!」
久保帯人さんは覚醒者の片鱗が見え隠れするんですよね。
このセリフをつむぎ出す事ができるのかといった感じがするわけです。私は初めてBLEACHのコミック60巻を読んだ時は対比描写には気付いてなかったと思います。
王と神と宗教に関する設定
ハンターハンターではたくさんの王と神と宗教の設定が出てきます。
蟻の王はメルエムでしたし、ハンター協会のネテロ会長は神というアナグラムを持っていました。「ネ」「テ」「ロ」とは「ネ」「申」となり「神」といったアナグラムです。
カキン帝国の王位継承線も王について描かれていますし、宗教に関してはキリスト教に関する設定が非常に多いです。
ちなみにカキン帝国の第4王子ツェリードニヒはイエス=キリストがモデルと考察しています。
一方でBLEACHも藍染惣右介が王や神についての持論を平子真二に展開していました。
霊王という存在が出てきて、滅却師(クインシー)の王であるユーハバッハの名前の由来はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の唯一神である「Yahweh(ヤハウェ)」です。
神聖四文字(テトラグラマトン)のY・H・V・Hが元ネタになっているという事です。
この王や神や宗教に関する設定はBLEACHがハンターハンターを元ネタにしているわけではない気がしますが、何かが見えない部分で繫がっているような気もするのです。
まとめ
ハンターハンターがBLEACHの元ネタになっていると思える内容を記事にしてみました。
確実に言える事は久保帯人さんは冨樫義博先生にすごい影響を受けているという事です。
実際にこの記事でまとめた以外にもたくさんの共通点があるはずです。
おそらく私が見落としたり、調べ切っていない内容がたくさん存在します。ブログのコメント欄を開放していれば意見も募集可能なのですが、価値も意味もないコメントはマイナスにしかならないのでコメント機能は停止しています。
BLEACHの連載は終了しましたが、作者の久保帯人さんは心残りが1つだけありました。
それは1人の少年からもらったファンレターでした。
久保帯人さんは余命の少ない少年からの手紙をもらい、差出人を探されていましたが無事に見つかったようです。その手紙は病気の少年が自分の命が尽きたときに出してほしいと依頼されていた手紙だったので、おそらく手紙を書いた少年は亡くなられたのでしょうが、BLEACHという作品は1人の少年の心を動かし、人生の何かを変えた作品であったはずです。
手紙を書いた少年はBLEACHが自分の世界を変えたそうです。
これは偶然なのかどうかはわかりませんが、井上織姫の「朽木さんは黒崎くんの世界を変えた人だから」というセリフ、冨樫義博先生が久保帯人さんの世界を変えたのだろうという事、ジブリスタジオが作っていた「一本の映画で世界を変えうると信じる作り手たちの映画」と繫がっているんじゃないのかと思うのです。
私も偉大なクリエイター達の魂や信念の力を借り、未熟な覚醒者に宿りしアンサートーカーの力を使い、困難に見舞われた奪われた同胞を助けるためにIプランとIプロジェクトを作りました。