ハンターハンターのキメラアント編でネテロ会長に選ばれてキメラアント討伐隊に加わったノヴですが、プフのオーラに精神(こころ)を折られて白髪となり、その後は髪の毛が抜け落ちて最終的にはハゲてしまいました。
ネテロ会長とどっこいどっこいとまで評されたノヴの精神を折ったのは何だったのかや、なぜ髪の毛がなくなってハゲるまでの恐怖を味わったなのかを考えてみたいと想います。
キルアに対しては強気なビックマウスでしたからね。
HUNTER×HUNTERのコミック19巻「No.199 光と影」にてピトーから逃げてきたキルアに対してモラウが「さっさとお家に帰んな」と辛辣なセリフを言った後、ノヴは「可哀想でしょう。相手はただの子供なんだから」とかなり見下した表情で追い討ちをかけています。
この時のノヴの精神状態は実力に見合ったベストな状態だったわけですが、東ゴルトー共和国の宮殿に4次元マンション(ハイドアンドシーク)の出口を設置する任務で一気に精神状態が崩れてしまいました。
宮殿への潜入任務
ノヴの髪の毛が白髪に変わったのは東ゴルトーの宮殿へ1人で潜入した任務でした。
自分の左腕を引きちぎった王の治療をするためにピトーが円を引っ込めたタイミングです。
自分の命と作戦(人類の存亡)がかかったミッションでしたが、潜入前からかなり精神的には崩れかけています。
本来はピトーの円が届く宮殿からはまだかなり離れている場所(おそらく1km以上)で既にかなり追い詰められています。
ノヴ「生きた心地がしないな」
と相当にビビりまくっています。
ノヴは4次元マンション(ハイドアンドシーク)でいつでも撤退が可能にも関わらずです。
ノヴの心理状態
まずノヴがいきなりビビりまくっていた心理状態を確認していきたいと思います。
かつてキルアに対してはかなり強気な発言をしていました。
ノヴ「人は得体の知れないモノに会うとそれを過大評価するものです。キミは今、一種の恐怖(パニック)状態に陥っている」
このセリフがいわゆるフラグになってしまったようです。
同じ状況を自分が味わう事になってしまったのです。
パニックになった理由
なぜノヴがパニックになったかを考えると、まず仲間のいない状況でたった1人での潜入任務という状況なので相当に恐怖心があったはずです。
そして気配を消すため絶を使ってオーラは纏ってない状況でした。
ここまでの状況を経験したメンバーはいないと思います。
作戦が決行されて全員一緒に突入した後はそれぞれが覚悟を決めて1人でも行動していきやすいわけですが、ノヴの場合はたった1人で作戦自体の成功可否を握るようなプレッシャーもある状況だったわけです。
命を懸ける覚悟ができていてもビビるはずです。
この精神状態にさらに拍車をかけたのが戦闘兵タラゲッテとの遭遇です。
自分の命を懸け、人類の運命すら背負っている状況において、任務失敗につながりかねない敵との遭遇でノヴの心理状態はパニックに陥っていきます。
そしてプフの禍々しいオーラを視てしまうのです。
プフの禍々しいオーラ
タラゲッテを片付けた後に宮殿の中央階段1階までたどり着いたノヴはプフの禍々しいオーラを目にします。
にも関わらず行けば確実に殺されるとイメージした相手はピトーでした。
ここでもノヴの精神が不安定でパニック状態になっていることが伺えます。
この時のプフは王が左腕を自ら引きちぎった事によってかなり動揺していました。
おそらく王をその状況に追い込んだコムギに対しても怨念のようなものを持っていたかもしれません。
その怨念のようなオーラを見てしまったノヴは既にパニック状態に近い極限の精神状態だったため精神(こころ)が折られてしまいました。
スポーツの世界でよく使われる「イップス」とかの例と似ているかもしれません。
白髪になりその後ハゲてしまう
プフの禍々しいオーラを視て精神(こころ)が折られたプフは宮殿突入の任務からは脱落(リアタイア)してしまいました。
そしてそれは髪の毛にも大きな影響を与え見た目もどんどん変わっていきます。
最終的にはハゲにまでなりました。
黒髪から白髪へ
人はあまりの恐怖やショック、ストレスにさらされると髪の毛が一気に白髪になるという事があるようです。
中世ヨーロッパの王妃マリー・アントワネットが死刑の宣告を受けたときにショックで一夜にして白髪になったという逸話がありますが、ノヴにも同じような状況が起こったのだと思います。
ゼノの心滴拳聴で例えられた現象やアルベルト・アインシュタインの相対性理論で示されるような時間間隔の矛盾が起きればありえる話です。
ストレスによる円形脱毛症や10円ハゲも急にきますよね。
ちょっと思い出したのですが、西森博之さんの作品「道士郎でござる」に登場する白瀬エリカ(通称:エリタン)という女の子でいたのですが、小さい頃に目の前で両親を殺されてショックで白髪になっていました。
ショックやストレスで実際に髪の毛は抜けますし、加齢と共に老化で白髪になっていくわけです。時間感覚の矛盾もありえるわけなのでノヴが白髪になるのも必然だったのかと思います。
北朝鮮がモデルとなっている東ゴルトー共和国で暗闇の中にいる12歳~13歳の女のコのコムギの髪が白いのも理由があると思います。
そしてアニメではピンク色をしていたコアラのキメラアント(正体は冨樫義博先生)の色も関係しているのでしょうか・・・。
コアラが懺悔したカイトの魂が転生した女のコは赤い髪でした。
対比された白い髪と赤い髪は日本の少女を表していたのかもしれません。
パームの心配
自分の任務を見事に遂行したノヴは怯えて震えながらもパームの心配をしていました。
「絶対に無理はするな・・・ツ」
「捕まったらおしまいだ」
「捕まれば全てが終わる・・・!!!」
北朝鮮がモデルとなっている東ゴルトー共和国の宮殿への潜入任務でした。
捕まればというのは、すなわち拉致されれば終わるという事です。
今の日本の腐敗した官僚や政治家は「奪われた同胞の日本人」を助けようとせず時間稼ぎをしているように見えます。
いろいろと意見があったり実情もあると思いますが、かつて日本の総理大臣だった小泉純一郎さんは訪朝して実際に行動し、結果も目に見える形で出してくれています。
ただそれ以降は残念ながら進展がないようです。
命を懸けて任務を全うし精神(こころ)が折れたノヴを誰が責めれるのでしょうか・・・。
実際に現実世界の北朝鮮では暗殺や処刑は日常茶飯事です。
最終的にはハゲた
白髪になってリタイアしたノヴでしたが、その後に討伐対が宮殿に突入後にはもう一度宮殿に向かって瀕死のシュートをやモラウを助けに行っています。
その頃にはほとんどの髪が抜け落ちて頭頂部はハゲていました。
この時にノヴは爪を噛む仕草をしています。
爪を噛む仕草の心理状態はいくつかの例がありますが、恐怖心を無くすためやその場をしのいでいる等の自分を守るためにする行動という事です。
ハンターハンターの作者である冨樫義博先生も命を懸けたと思います。
北の将軍様だった故人の金正日(マサドルディーゴ)をメルエムという最強のキャラクターで壊し、非人道的な不条理である拉致行為が解決されることを願ったと思えるからです。
最終的にノヴはハゲました。
キメラアント討伐任務が終わった後には帽子をかぶるまで髪の毛が抜けてハゲていたのでしょう。
でも名誉あるハゲであり、勲章ともいえるハゲといってもいいでしょう。
ノヴも命を懸けたのですから。
命を懸けれる人
ギリシャのソクラテスのように自分の命よりも信念を貫ける強い人達がいます。
現代社会でも未だに暗殺などは世界中で起こっていますし、非人道的な行為も日常茶飯事です。
脅迫されて悲惨な目に合わされても死ぬまで自分の信念を曲げずに亡くなっていった人もたくさんおられます。
心が強いなと思うわけです。
まとめ
ノヴがなぜ精神(こころ)が折られ、髪の毛が白髪になった後にハゲたのかを考察してみました。
もしかするとノヴの心理状態はハンターハンターの作者である冨樫義博先生ともリンクしていたのかもしれません。
一説によるとノヴがリタイアしたのはノヴの能力の「窓を開く者(スクリーム)」があまりにも強力すぎてメレオロンと組めば王を倒せたかもしれないから冨樫義博先生がリタイアさせたという説もあります。
でもやはりノヴの退場は早くから決まっていたように思います。
ノヴが「窓を開く者(スクリーム)」を使う前のHUNTER×HUNTERのコミック24巻「No.250 6-⑦」でノヴの心理描写があります。
「それぞれの戦闘が始まる・・・!!」
という描写の中に本人だからかもしれませんが、ノヴは入っていませんでした。
このあたりからもう既にノヴが心が折れてリタイアするのは決まっていたのかもしれません。
ノヴがハゲるのもウェルフィンの全ての毛が抜けてしまう描写に掛かる伏線だったのかもしれません。
ハンターハンターのキメラアント編のストーリーや設定、心理描写は本当に奥が深いですね。