ハンターハンターのキメラアント編における最大の伏線は王(メルエム)とコムギの軍儀での対局といえるでしょう。
冨樫義博先生が天才と呼ばれるのもこの伏線と回収されたネタバレを知れば納得する人も多いかと思います。
漫画家の先生って本当に凄い人がいますね。
蟻側と人間側の攻防があらかじめ王(メルエム)とコムギの軍儀の対局で伏線として描かれていたという衝撃の内容です。
王(メルエム)とコムギの軍儀
ハンターハンターのキメラアント編における主人公といってもおかしくない王(メルエム)とコムギは軍儀にて対局しています。
王(メルエム)とコムギは何局か軍儀を指していますが、深く壮大な伏線が張られたのはHUNTER×HUNTERのコミック23巻「No.245 6-②」「No.246 6-③」からです。
王(メルエム)は東ゴルトー共和国の国民の選別までの余戯のしめくくりとして軍儀の勝負をしました。
その相手が世界チャンピオンである盲目の少女(女のコ)であるコムギだったのです。
蟻(キメラアント側)と人間(ハンター側)の攻防が軍儀での対局に込められたのです。
軍儀の伏線とネタバレ
HUNTER×HUNTERのコミック23巻「No.245 6-②」「No.246 6-③」における王とコムギの軍儀での対局で張られた伏線と回収されたネタバレについて詳しく考察していきます。
会話と思考
コムギ「(師を孤立・・・!)」
この1手を王は離隠(ハナレガクシ)と名付けたわけですが、正式名称はコムギが既に考え出していた弧孤狸固(ココリコ)という打ち方でした。
これは王(メルエム)を孤立させるという作戦を人間側(ハンター側)の陣営が取る事を示しています。
~追記20170306~
メルエムとコムギの対局は蟻側とハンター側の攻防を表しています。人間側の帥(王)がコムギと考えた場合、離隠(ハナレガクシ)というのはコムギがパームによって離れたところに隠される事を意味していたのではないでしょうか。この記事を書いた最初の頃には気付いてなかったのですが・・・
この軍儀って無茶苦茶奥が深いですよね。離隠(ハナレガクシ)にはさらに隠された意味まで含んでいるのだと思いますが・・・。
王「ヤツの初期配置は予想通り」
考察保留。ヤツとは・・・。コムギのことは「あかず」といっているので、ここでのヤツとはネテロを指すのかなとも思えるわけです。
同じ対局内でコムギを其方(そち)や貴様とも呼んでいるのでヤツがネテロを指しているとは限らないわけですが可能性としてはあるかなと。
王「こちらの師にやや寄せながらも鶴羽の陣は崩さない」
鶴羽の陣を調べたところ鶴翼の陣という似たような言葉もあってVの字という事なのかなと思います。勝利を願うという信念が込められたのかなと思います。
王「一手目で右翼に弓を据え」
まず王を孤立させるための作戦の開始、すなわち一手目がゼノの龍星群(ドラゴンダイブ)である事を示しています。
弓がゼノの龍星群を指していて、宮殿に龍の雨(矢)を降らせています。
右翼がコムギがいた宮殿の右の塔を暗示しています。
王「槍三本の速攻を決める腹であろうが」
これは中央大階段横からノヴのマンションによってハンター達が突入する事を指しています。
槍3本とは護衛軍を王から分断するための3組のチームです。
- モラウ
- ナックル、シュート、メレオロン
- ゴン、キルア
王「右に寄せてできた左翼の空白に余の持ち駒が死角を作る」
右の塔の王に集中しようとするハンター達の左翼に出来た空白とは心の隙みたいなものでしょうか、イカルゴが向かおうとした先にいたウェルフィン団戦闘兵がキルアに対して心に死角を作ります。
王「槍三本と左辺の攻防で余の方が駒2枚失う」
これはウェルフィン団戦闘兵のインザキとマエノレを表しています。キルアが倒しています。
王「その代償で出来た其方の左翼の死角・・・!!!玉砕覚悟でここから攻め寄ると思っているだろう」
特に意味はないのかもしれませんが、鶴羽の陣という言葉が出ている以上、左翼という言葉にも意味がありそうな気がします。
真ん中という概念がなく右と左だけにわけると、中央大階段の位置が左翼といえるのかもしれません。
この記事を書きながら何度か見直していて左翼の死角とはイカルゴとキルアの心の隙でありそうな気がしてきました。玉砕覚悟というとウェルフィンやプフのとった行動が当てはまっていきそうですが・・・。
追記)まさかとは思いますが人間の脳の右脳と左脳の役割的な意味が込められているのかもしれません。パクノダに示されてた4行詩のような・・・。
再追記)HUNTER×HUNTERのコミック24巻「No.258 1-②」にて宮殿突入の作戦確認でキルアが「イカルゴは北西側のエレベーターで地下へ降りてパームを捜す」といっているので左辺は間違いなくイカルゴを指しているようです。
王「この配置・・・盤中央からの攻防は無限!!正着はない。こちらの対応次第でいくらでも長引く一局」
これは王とネテロの戦いを意味していて、攻防が無限、長引く一局とはネテロの百式観音との攻防を指しています。
王「貴様・・・離隠(これ)が死路であることを知っていたな?」
王:5-5-1中将
コムギ:9-2-1中将新
離隠(ハナレガクシ)もとい弧孤狸固(ココリコ)は最初から死路だったわけですが、5-5-1中将はネテロとの百式観音との攻防を指しているので、それに止めを刺すコムギが打った9-2-1中将新は王を倒した貧者の薔薇(ミニチュアローズ)であるといえます。
コムギ「このコを殺すたのもワダすです。」
王が貧者の薔薇(ミニチュアローズ)によって人間に倒される事を指しています。
コムギ「勝負には勝ちますたが、それ以降このコは公式戦や書物から姿を消しました。」
人間側が蟻との勝負に勝つわけですが、メルエムの記憶が無くなる事を指しています。
コムギ「一度死んだ我が子が生き還ったような・・・」
これはプフとユピーによって一度倒された王(メルエム)が生き返る事を指しています。
コムギ「だからもう一度この子の・・・命を消すのが忍びなくて少し・・・迷いました。」
メルエムはウェルフィンの「コムギ」の一言で記憶を取り戻します。そして自分が薔薇の毒に犯されている事をコムギに告げるかを迷います。
コムギの命を消すのが忍びなかったからです。
おそらく自分が薔薇の毒に犯されている事は隠し、最初は数局打った後に自ら去って一人で死ぬつもりだったのだと思います。でも迷いつつも自分の命が残り少ないという本当の真実を告げました。
回収された伏線の感想
というかこの伏線と回収されたストーリーを読んで冨樫義博先生が天才である事はまぎれもない事実だと思います。
この最初から物語の結末のネタバレを用意しているという設定や構想力はとんでもない怪物といえるでしょう。
ちなみに私は初めてこの内容をコミックで読んだ時には何一つわかっていませんでした。
いろいろと情報を集めてみると、mixiのハンターコミュがきっかけで、vipを経由して2ch本スレで拡散されたとの情報がありました。
この伏線に気付いた人ってすごいですよね。
ハンターハンターを相当に読み込んでるんだと思います。なんといっても最高に面白く深い漫画ですからね。
既にネット上ではネタバレしている内容ですが、自分なりにより細かく、そして深く考えてまとめてみました。ネット上をいろいろ検索して見た限りではかなり奥の方までたどりついた考察に仕上げれたと思います。
これでも考察しきれていないと思います。
上記の部分に関してですら見えてないところがたくさんあると思います。そして死路を生かす路についても続きの考察がありますし、そしてさらに軍儀に隠された秘密もあると思います。
まとめ
ハンターハンターという作品の中でもこれ以上ないというくらいに張られた伏線と回収についてのネタバレをまとめてみました。
でも実は伏線はこれだけではないと私は考えています。
ここからが覚醒考察に入っていくわけです。隠された想いと秘密とは・・・。
冨樫義博先生が天才といわれる以上の挑戦をした事とは・・・。
コムギやメルエムというアナグラムや、このハンターハンター覚醒考察ブログを立ち上げた理由とも大きくかかわってきます。