ハンターハンターの張られた伏線の中でゾルディック家の末弟であるカルトが幻影旅団(蜘蛛)に入団した目的や理由、取り戻したい兄さんが誰なのかを考察して答えを導き出していきたいと思います。
いくつかの説がありますが、なぜカルトは幻影旅団に入団する必要があったのか等、全ての辻褄を合うように検証しながら理論を組み立てる必要があります。
そしてカルトは本当に5人兄弟なのかという考察もあります。
カルトの兄はイルミ、ミルキ、キルア、アルカの4人ですが幻影旅団に入って取り戻したい兄さんとはこの4人の中にいるのか、それとも他に別の兄が存在するのかが可能性として考えられる選択肢です。
考察にあたって重要なポイントとなる設定がカルトの母親のキキョウが流星街の出身だという事です。
キキョウの出身地が流星街である事と操作系の念能力者という設定はハンターズ・ガイド(著:冨樫義博)に掲載されています。
張られた伏線と心理描写
ハンターハンターの作品の中でカルトに取り戻したい兄がいて、兄さんを取り戻すために幻影旅団に入団したという伏線が張られたのはHUNTER×HUNTERのコミック22巻「No.229 10-⑦」の事です。
キメラアント編の途中で元師団長のザザンとフェイタンの戦いを見て自分の実力不足を痛感した後にカルトの心理描写が描かれました。
カルト「甘かった」
カルト「No.2くらいならすぐとか思ってたけど」
カルト「はるか格下だ。絶望的なくらい」
カルト「でも諦めない」
カルト「耐えるのは慣れている」
カルト「何年かかっても兄さんを取り戻すため」
ここでキキョウと5兄弟が映った写真の描写が挟まります。
カルトの心理描写と回想シーンともいえる写真の描写の後にはフェイタンが描写されています。
この張られた伏線によってカルトの取り戻したい兄さんが誰なのかというのが大いなる謎になるわけです。
この時点ではアルカは未登場で写真で存在が確認されただけの状態です。カルトが取り戻したい兄さんとはゴンが外の世界に連れ出したキルア以外には考えれない状況でした。
幻影旅団に入団する経緯
まずはカルトがどういった流れでなぜ幻影旅団に入団したのかを整理する必要があります。
シルバからは「旅団には手を出すな」と言われています。
これはHUNTER×HUNTERのコミック9巻「No.080 9月2日②」でキルアの回想シーンで描かれています。
キルアの回想シーンから約3年前にシルバが仕事で幻影旅団の元8番の団員を暗殺した後の出来事です。
ヨークシン編
カルトと幻影旅団の関係を整理していくと、まずはヨークシン編でゾルディック家は幻影旅団の暗殺依頼を十老頭から受けてシルバとゼノが仕事に就いています。
同時にクロロからの依頼でイルミが十老頭の暗殺を依頼されています。
イルミが受けた依頼にはなぜか家長のマハとカルトも同行しています。
そして奇しくもグリードアイランドを手に入れようと競売に来ていたミルキもヨークシンに来ていました。
その後、ヒソカの依頼でイルミがヒソカに変身する依頼を受けた時にもカルトは手伝っています。
この時にイルミを通してカルトは幻影旅団と面識を持ったはずです。
グリードアイランド編
グリードアイランド編でカルトが登場した時には既に幻影旅団に入団していてヒソカの抜け番として4番の団員となっていました。
カルトには人を探す能力があって名前や年齢や性別さえわからない除念師を見事に見つけてます。
これはクロロからイルミへの依頼があったと考察できます。
ただし除念師を探すという依頼であればカルトが幻影旅団に入る必要性はありません。
そしてシルバはカルトの幻影旅団入りを黙認している事実があります。
キメラアント編
キメラアント編ではカルトが幻影旅団に入団した理由が判明しました。
理由は兄さんを取り戻すためだという事がわかりました。
ただ謎は謎を呼び、兄さんとは一体誰なのかというのがよくわからなくなるわけです。
普通に考えれば殺し屋を廃業したキルアを取り戻すという意味になりそうなのですが、ではなぜカルトが幻影旅団に入る必要があるのかがわかりません。
幻影旅団でNo.2(団長代理)になる事を望んでいたので目的は実力でNo.1である団長のクロロと関係していると考察できるわけですがここにも整合性があるようには思えません。
取り戻したい兄さん
カルトが取り戻したい兄さんはイルミ、ミルキ、キルア、アルカの4人か、他に可能性として考えれるのはイルミの上にまだ登場していないもう一人の兄がいるかです。
兄弟の名前がしりとりになっている設定を考えると選択肢としては5択となります。
ここで唯一除外できるのがイルミです。カルトにとってイルミの何かを取り戻したいのかという根拠が全くないからです。
新しい説としてはミルキ説が有名です。
まだ登場してない兄弟説はキキョウが流星街の出身という事でシルバのもとへ嫁ぐ前に既に誰かの子供を宿していたというパターンです。
幻影旅団のメンバーの中にキキョウの子供がいて、カルトがキキョウのために取り戻そうとしているという考察になります。
この場合はシルバがキキョウの子供の父親を暗殺したという流れも仮説として考えれますし、カルトの人探しの能力で見つけ出した兄が幻影旅団にいたという流れが出来上がるわけです。
シルバの「旅団には手を出すな」というセリフはお前たちの異父兄弟がいるから手を出すなという解釈も可能になるわけです。
ミルキ説
比較的新しい説になりますが、カルトが取り戻したい兄さんがミルキという説があります。
これは天空闘技場でのクロロ対ヒソカ戦でクロロが使った人間の証明(オーダースタンプ)の念能力の内容から生まれた説といえます。
ミルキは操作系の念能力者というのが判明していますが、未だに念能力は作品中で見せていません。
ただフィギュアをかなり集めている描写はありました。
なのでミルキはクロロに念能力を盗まれたという説が出てきました。
シルバはクロロが念能力を盗む事を知っていたので、自分か誰かが念能力を盗まれるのを見たはずです。
シルバが過去にクロロと戦った時にミルキも居合わせて念能力を盗まれたか、ミルキがヨークシンに行ったヨークシン編で盗まれたかなどが考えれます。
ちなみにクロロとイルミの関係を考えるとミルキの能力を条件付きで貸したという事も考えれます。
もしミルキがクロロに念能力を盗まれていたのであれば、それをカルトが取り戻そうとしているというのがミルキ説です。
キルア説
普通にというか一番単純に考えると暗殺一家の家業を廃業したキルアがカルトの取り戻したい兄さんだという説がしっくりくるわけです。
これは会長選挙編でゾルディック家の相関図が判明してより信憑性が上がったといえます。
HUNTER×HUNTERのコミック31巻「No.326 開戦」でカルトがアルカに嫉妬しているという関係が描かれています。
当然アルカに向けられる嫉妬はキルアが原因です。
かつてククルーマウンテンへキルアに会いに来たゴン、クラピカ、レオリオに対してもすごい形相でにらんでいたので、かなりキルアの事は好きなようです。
記事を書きながらキルア説と矛盾する内容をちょっと思ったのですが、アルカへの嫉妬は願いを叶える念能力というか暗黒大陸のアイの力に対して嫉妬しているという考え方も可能ですね。
そして一番妥当に思えるキルア説には矛盾が存在します。
なぜカルトが幻影旅団に入る必要があって、なぜNo.2を目指して実力を上げる必要があるのかという事です。
キルアとクロロの関係性にも整合性がありません。
ただ一つの可能性としてゾルディック家でキルアだけがアルカを女の子扱いしています。
キルアはナニカの影響を受けていて、その影響からキルアを取り戻すためにクロロの念能力が必要としているといった考察も可能です。
アルカ説
アルカの存在はゾルディック家の兄弟の名前がしりとりになっている事からかなり早くに存在自体(生死は不明)はわかっていました。
キメラアント編でカルトの心理描写の後に描かれたキキョウと兄弟が写った写真にてアルカの存在がまずは明確になります。
会長選挙編ではイルミがヒソカにアルカの暗殺依頼をした事によってアルカの存在が作品中でさらにおおやけになっていきます。
コミック33巻の扉絵ではナニカが暗黒大陸のアイだとネタバレされました。
アルカはナニカ(5大厄災のアイ)に憑依されたような状態になって幽閉されていました。
そしてアルカはキルアからは女の子みたいに扱われているわけですが、元々は男の子だった兄さんをナニカ(5大厄災のアイ)から解放するためにクロロの念能力が必要でカルトが幻影旅団に入ったという流れの考察も可能です。
アルカ説も熱い説ではあるのですが、アルカは既にキルアによって解放されたような状態なので、ここからさらにカルトがアルカがナニカの憑依を解こうとするという流れも少し不自然な気もします。
フェイタン説
ゾルディック家の兄弟が5人ではなく、6人であった場合には長兄は幻影旅団のメンバーではないのかという説の中で可能性が高そうなのがフェイタン説です。
キキョウがフェイタンを生んだ後、父親が殺されるか別れた後にシルバに嫁いだという流れが考えれます。
カルトの回想シーンといえる写真の後に描かれたのはフェイタンの描写でした。
冷酷なアサシンとハンターズ・ガイド(著:冨樫義博)では紹介されていて、捕まえた敵への拷問をする役割も担っています。
暗殺家業のゾルディック家やミルキの性格などとも共通している部分があります。
キキョウから生き別れた兄がいると聞かされたカルトが人を探す能力を使って兄を探し当て、クロロを説き伏せて幻影旅団を解散させてフェイタンを取り戻すといった流れが考察できます。
写真はある意味でミスリード的な描写だったとも解釈できます。
それとアルカが向いている方向も少し気になるんですよね。
クロロ説
クロロがカルトの取り戻したい兄さんというのは幻影旅団のメンバーにキキョウの生き別れた子供がいたという説からの考察です。
ハンターハンターの考察でかなりおすすめできるアモリの雑談会というYoutubeチャンネルで紹介されていた説です。
考え方はフェイタン説と似ていて、カルトが取り戻したい兄さんは団長のクロロだから自分がまずは実力でNo.2に上り詰めてその後に幻影旅団を解散させる方向にもっていくつもりなのかもしれません。
実はこの説を見た時に新しい考え方がふと頭をよぎりました。
イルミとミルキは本当にシルバの子供なのだろうか?
クロロ、イルミ、ミルキを生んだ後にキキョウがシルバに嫁いだのであれば、なぜか長兄のイルミでなくキルアがゾルディック家の跡継ぎに決まっているのも納得できるからです。
ただこれは血液型の観点から成り立たない考察だと気付きます。
ゾルディック家は全員がA型なので異父兄弟が成り立つならクロロの父親とイルミとミルキの父親はさらに別になってしまうからです。
ちなみにクロロはAB型です。
なのでクロロ説ではルシルフル家のB型の男性とキキョウの間にできた子供がクロロで、クロロはキキョウと生き別れたか、それともゾルディック家で育てられている間に飛び出したかという流れが考察できます。
この説の場合はキキョウが42歳でクロロが26歳なので、キキョウが16歳の時の子供という事になりますね。
キキョウの眼は義眼なのか常に機械を付けていてクルタ族の眼とも何か深い繋がりがあるのかもしれません。
まとめ
カルトが取り戻したい兄さんにはいろいろな説があるので、まとめてそれぞれ検証してみました。
この流れだとクロロ説が最も熱い気がしますね。人間の証明(オーダースタンプ)の能力はイルミを通してミルキから借りたという仮説も可能になってきます。
シルバのいろいろなセリフやヨークシン編でクロロがイルミに十老頭の暗殺を依頼したのも全て繋がっているのかもしれません。
かつてゾルディック家を襲撃した後に使用人になったシークアントの流れも少し全体的な流れに関係しているのかも気になります。
ハンターハンターは家族を取り戻したり探す設定が多いです。
ジンが迷子になった小さな女の子のミトさんを見つけてあげたのも同じ流れでです。
作品に込められた信念が非人道的な北朝鮮に拉致された13歳の日本の女の子である横田めぐみさんをご両親のもとへ返してあげたいというものだったからと私は考察しました。
とはいえハンターハンターを読み解くと、北朝鮮を作ったのが日本人であり、そもそも日本は既に明治維新からなんちゃって日本人(なりすまし日本人)に支配されたディープ・ステート(イルミナティ)の奴隷国家だったという結論まで辿り着くのは運命が導いた出来事だったのかと不思議なシンクロニシティを感じます。
13歳で新潟から北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが金正恩の母親になっていたのも衝撃的でした。
⇒ 金正恩と横田めぐみは息子と母親の親子関係だったという真相
キメラアント編では雑魚キャラのキメラアントがカルトに言ったセリフも印象に残ります。
HUNTER×HUNTERのコミック22巻「No.229 10-③」でのセリフです。
雑魚キャラ「ちょっとお嬢ちゃんこっちおいで」
カルト「いやだ」
雑魚キャラ「それじゃ拉致っちゃおうかな---」
この非人道的な拉致問題を解決するために作ったプランがIプランとIプロジェクトであり、さらに日本と世界全体の再設計を考えて創造していくJプランとJプロジェクトも作っています。