ハンターハンター32巻では主人公のゴンが父親のジンに再会する展開となりました。その流れでジンがゴンに対して「またぶっとばされっぞ!!」というセリフを話しています。
このセリフに対してゴンは「また」・・・?というジンの言葉がよくわからなかった仕草をしています。
そしてその後、はにかんだような表情を見せています。
この「また」・・・?の心理描写でのセリフはHUNTER×HUNTERのコミック32巻「No.335 決定」にてゴンがジンに再会しカイトに謝りにいくシーンにて「謝り方間違えんなよっ!!」の後につづいています。
ゴンが疑問に思った理由やその後に見せた表情について考察を含めて解説していきます。
またぶっ飛ばされるぞの意味
まずジンがゴンに対して言った「またぶっとばされっぞ!!」の「また」の部分は2回目があるぞという意味です。
ゴンがカイトに1回ぶっとばされているという事をジンが知っているという事です。
これは実はHUNTER×HUNTERのコミック1巻「No.335 出発の日」にてキツネグマに襲われているゴンをカイトが助けた後に、人が襲われる可能性が高い危険な時期に森に入っていたゴンに対して怒った時にそこそこ本気で殴っています。
現実世界では15年以上前の事です。
週刊ジャンプのみ読んでる人は確実に忘れているというか、その頃の読者はほとんどいなくなってそうですよね。笑。
この時の事をジンがなぜか知っていたので「また」という言葉が使われたわけです。
ではなぜジンはこの事を知っていたのかを考えてみたいと思います。
カイトに直接聞いた
カイトがゴンを殴った時にくじら島にいた理由はジンに認めてもらうための最終試験である「彼を探し当てる」の手がかりを探しに来ていました。
ゴンの故郷であるくじら島は父親のジンの故郷でもあったからです。
ゴンはグリードアイランドのゲームをクリアした後にキメラアント編が始まる時にカイトには再会しています。
その時の話でカイトは既にジンを見つけて最終試験をクリアしたと言っていました。
カイトはくじら島でゴンに会った事はジンに話しているでしょうから、もしかすると殴ったという事も話している可能性はあります。
その場にジンがいた
ゴンがカイトにぶっとばされた時にジンがその場にいたという可能性もありえます。
絶で気配を消して一部始終を見守っていたという事です。
これはちょっとありえなさそうな話ですが、ジンの行動や念能力を予想すると可能性としてはかなりありえます。
まずこの時の3年後にゴンがハンター試験を受けに出発する際にその行動を見守るためにジンはくじら島の近くの港のドーレ港で目撃されています。
それに加えて私はジンの念能力は運や人の命に関係する考察をしています。
さらにくじら島も何か関係してそうな気がするんですよね。
ハンターハンターの作品中にはスピリチュアル的な設定がたくさん出てきますが、鯨(クジラ)の夢占いは、将来への希望や幸運を運んでくれる大吉夢と言われています。
ミトさんの両親が亡くなったのは旅先でしたし、ジンの父親が漁から戻らなかったのもくじら島を離れていた時です。
ジンとくじら島の両方に何かの隠された裏設定があるのかもしれません。
ちょっと矛盾が発生しそうな流れになるかもしれませんが、くじら島にいる限りは安全と思っていたゴンが命の危機に陥ると直感や念能力で気付いたジンが戻ってみると、弟子のカイトがゴンを助けていてそれを見ていたという流れも予想できるわけです。
私の中では答えはこちらかなと思っています。
ジンは会長選挙編のHUNTER×HUNTERのコミック30巻「No.319 抽選」においてパリストンが瀕死のゴンに対して挑発してきた時に「ゴンは死なねェ」と断言しています。
何らかの能力を使った
一応念能力ではパームの千里眼のように離れた場所を見る事も可能です。
キルアの家族がツボネのスコープを通して離れた場所からキルアを見ていたような方法もハンターハンターの世界観の設定では可能です。
ただあまり必然性がないかなと思います。
ゴンの「また?」の振り返り
ゴンははジンのセリフの「またぶっとばされっぞ!!」のセリフを聞いた数秒後、違和感を感じて振り返っています。
もしカイトがジンにゴンを殴ったという事を伝えていれば、ゴンが「また?」という疑問を持つ必要性がありません。
もちろんゴンはカイトに一度ぶっとばされている事を、なぜジンが知っているかはわかっていません。
でも作者の冨樫義博先生は設定として把握して知っているわけです。
ゴンに振り返らえらせた描写に意味があるはずなので、やはりジンがその場にいたという風に考えられるわけです。
ゴンのはにかんだ表情
ゴンの「また?」と疑問を感じてて振り返った後にはにかんだ表情を見せています。
この表情は会長選挙の会場内で暴れているジンに対してしょうがない人だな~と苦笑しているんだと思います。
表情を見ると眉毛は八の字眉毛になっていて、はにかむというよりは苦笑なんですよね。
ですので私の解釈としては「また?」でゴンが振り返った仕草はゴンがカイトにぶっとばされた時にジンがその場にいた事を読者に気付かせるための描写で、ゴンに対して気付かせる描写ではなかったと考察しています。
まとめ
ハンターハンターという作品の中で主人公のゴンにとっての大きな目的の一つの父親のジンを探し当てて再会するというお話はあっけなく達成されました。
ジンは育児放棄のクズと他のハンター達に言われていましたが、ゴンを大切には想っているようです。
ジンは幼少期に迷子になったミトさん(小さな女のコ)を家に帰してあげる事が得意でした。
そしてその後に欲しいモノがあると、くじら島を出てハンターになっています。
ゴンはカイトに再会して謝っています。
HUNTER×HUNTERのコミック32巻「No.337 懺悔」でのセリフです。
ゴン「力が足りなかった」
ゴン「でも・・・次はオレがカイトを護るよ」
ゴンは小さな女のコを護ると誓っているのです。
この時になぜかコアラが何度かコマ割りに登場してくるのですが、なぜだと思いますか?
私はこのコアラの懺悔を何度も読んで(実際には数年後に読み返した時)何度も泣きました。
「救えねぇ」と呟くコアラは救いたかった女のコがいたんじゃないでしょうか。