ハンターハンターのキメラアント編(通称:蟻編)ではゴンとメルエムの対比描写があちこちで描かれていますが、実はこの2人の対比描写だけではないところがあるんですよね。
それが片腕を失うというシーンなんですが実はキメラアント編においては4人の登場キャラが腕を失っています。
腕を失う順番に並べると下記になります。
ちなみに実はまさかそんなところからという衝撃のネタが最後に明かされます。
- カイト(右腕)
- メルエム(左腕)
- ネテロ(左腕)
- ゴン(右腕)
ここまでこの記事を書こうと整理したわけですが、これだけでも当初書こうとしていた内容以上に何か深い意味がありそうな気がしてきました。
ハンターハンターの作品の深淵は本当に見つける事ができないほど深いのでしょうね。
実は腕を失う描写はキメラアント編以外でも結構あるので、少しおさらいしてみたいと思います。
登場キャラが腕を失うシーン
実はハンターハンターの作品の中でいきなり登場していきなり腕を失っているキャラがHUNTER×HUNTERのコミック1巻「No.005 第1次試験開始①」にいてるのです。
ハンター試験編での受験生の1人で第1次試験開始前にヒソカにぶつかって謝らなかった58番のキャラが両腕をヒソカのトランプで切られて失っています。
この両腕を失うで思い出す人もいるんじゃないでしょうか?
そうです。天空闘技場編にてヒソカはカストロと戦って両腕を失っているんですよね。
マチに念糸縫合(ねんしほうごう)してもらって両腕はくっつきましたけど、まさかこの58番の受験生の両腕を失うのが伏線の設定とかだと恐ろしく練りこまれた裏設定ですよね。
そしてゴンはグリードアイランド編でも腕を失っています。
爆弾魔(ボマー)であるゲンスルーとの戦いで左手を失ってます。
この時はゲーム内のカードであるSSランクのカード「大天使の息吹」を使う事によって回復する事ができました。
偶然かどうかはわかりませんが、キメラアント編でゴンが失った腕は右腕でした。
キメラアント編での描写と設定
それではハンターハンターのキメラアント編で腕を失った4人のキャラについて見ていきたいと思います。
カイトとゴンが右腕を失っています。
メルエムとネテロが左腕を失っています。
実はこれが対比描写だけでなくいろいろな伏線や設定など相関関係になっているのです。
ちなみにネテロは右足も失っています。
カイトの右腕
キメラアント編で一番最初に右腕を失ったのはカイトです。
HUNTER×HUNTERのコミック19巻「No.198 急襲」にてピトーの円に触れて襲われた時にゴンとキルアを逃がすためにスキができたところをピトーに襲われて一瞬にして右腕を失います。
右腕を失ったカイトはピトーによって殺されてしまいますが、実は蟻の王メルエムの双子の妹としてキメラアントに転生するのです。
カイトは女の子(コ)に生まれ変わりました。
ピトーとの戦いに敗れて首をはねられてカイトは一度死んでしまいましたが、キメラアントとして生き残ったのです。
ゴンの右腕
カイトを元に戻すという約束をピトーとしてアジトに向かったゴンでしたが、そこで告げられたのはカイトはもう死んでいるというものでした。
HUNTER×HUNTERのコミック29巻「No.307 喪失」にてゴンとピトーの対決が始まります。
誓約を使って大人になったゴンさんはピトーを圧倒しますが、死後にさらに強くなった黒子無想(テレプシコーラ)の念をまとったピトーに右腕を奪われる事になります。
ゴンはこの時にカイトと同じになれてうれしいと言っています。
後にナニカ(キルアの妹のアルカ)によって助けられたおかげで人間として生き残ったのです。
メルエムの左腕
蟻の王であるメルエムは本来失う必要のなかった左腕を自分の手で失っています。
ゴンの対比描写であるメルエムはカイトが左腕を失った時にはこの設定が決まっていたのかもしれません。
HUNTER×HUNTERのコミック24巻「No.249 6-⑥」にて自ら右腕を引きちぎって失っています。
コムギとの軍儀での対局で勝てば何でも望みをかなえる変わりに負ければ左腕を差し出すよう提案します。
これに対してコムギは命を差し出すと答えます。
恐怖を与えて勝とうとした相手の人間の女性が命を懸けて勝負に挑んでいる事を知った事で自分の恥を認めたメルエムは自ら左腕を引きちぎる事になります。メルエムは目の見えないコムギの全てを照らす光(家族の象徴)として描かれています。
もしかすると子供を拉致された事によって自分の一部を引き裂かれたような感情を表しているのかもしれません。
左腕を失った蟻の王は薔薇(バラ)の毒によって死ぬ事になりました。
ネテロの左腕
キメラアント討伐の責任を請け負ったハンター協会の会長であるネテロは薔薇(バラ)を使う事を前提として命を懸けた任務に挑みます。
HUNTER×HUNTERのコミック28巻でメルエムと戦い右足と左腕を失っています。
メルエムとのタイマン勝負に挑んだネテロは最初に右足を奪われます。
それでも勝負を捨てないネテロに対して今度はメルエムは自分が失った事のある左腕を奪います。
その後は百式の零を放つもメルエムには致命的なダメージが与えれず薔薇(バラ)を発動させて自爆しました。
左腕を失った人間を代表したハンター協会会長のネテロは自爆という形で死ぬ事になりました。
まとめ
これがハンターハンターのキメラアント編における片腕を失った、人間とキメラアントの見事なまでの対比描写と相関関係が成り立っている事に気付いたまとめです。
でも実はネテロ会長には驚くべき伏線が存在しました。
これは偶然か後付で伏線の設定にしたのかは不明です。
過去をさかのぼってハンター試験編を振り返って欲しいのですが、HUNTER×HUNTERのコミック2巻「No.014 真夜中のゲーム②」にてネテロ会長はゴンとキルアに対してハンターライセンスを賭けて球遊びの勝負をしています。
この時にネテロ会長がゴンに対して使わなかった手足が左足と右手となっていて、メルエムとの戦いで残った手足となっているのです。
この時はしっかりと右足と右手にスポットライトが当てられた描写が見られます。
ネテロ会長と勝負したゴンとメルエムはこんなところでも対比描写されていたんですね。
伏線の設定にしろ、たまたまの偶然にしろハンターハンターという作品は深いです。